社交ダンスのレッスンのたびに「もっと姿勢を」「ホールドが崩れてる」と言われる。帰り道、ため息がふっと出る。
練習は続けている。自主練もしている。先生の言葉をメモして、家で鏡の前に立ってみる。でも次のレッスンでも同じことを指摘される。何かが足りないのはわかるけれど、何が足りないのかがわからない。
そのもやもやした状態が続くと、ダンスを楽しく感じられなくなってしまうこともあります。頑張っているのに同じ指摘が続くときは、努力が足りないのではなく、意識する場所や体の使い方を見直す余地があるかもしれません。
毎回同じことを指摘されて、社交ダンスが楽しくなくなる前に

「姿勢を作れない」「ホールドが崩れる」とき、指摘された部分を直接直そうとして、「ひじをもっと上げよう」「背中をもっと伸ばそう」と意識することがあります。ただ、一部分を強く意識すると、別の部分にも力が入りやすくなります。
力で姿勢やホールドを保とうとすると、動き始めたときに崩れたり、体が硬くなってパートナーの動きに合わせにくくなったりすることがあります。「もっと意識して」と考えるほど力が入るなら、頑張る場所を変えてみることも必要です。
頑張る方向が変わると、体の反応が変わることがあります。
頑張り方を変えたら、体が変わってきた

上達しないときは、技術より先に整えておくことがある
ダンスは技術の積み上げが大切です。ステップ、タイミング、パートナーとの合わせ方など、覚えることはたくさんあります。ただ、立ち方や体重のかけ方が安定していないと、覚えた動きを再現しにくいことがあります。
たとえば、足の動かし方を練習しても、ターンに入る前の重心が安定していなければ、回るたびにふらつくことがあります。ホールドも、形だけを繰り返し直すのではなく、体をどう支えているかを確認することが大切です。技術の練習とあわせて、土台となる体の使い方を見直すことが、練習を積み上げやすくする一つの方法です。
ターンのふらつきが気になる方は、ターンで体が流れてしまう人へ|軸足に重心を乗せる感覚のつかみ方も参考にしてみてください。重心の乗せ方という土台から整えていく考え方を詳しく書いています。
才能やセンスの問題じゃなかった話
「自分には向いていないのかもしれない」とすっと気持ちが沈んでしまったことはないでしょうか。
上達を実感できないからといって、すぐに才能やセンスの問題だと決める必要はありません。
社交ダンスの世界大会に出た経験のある先生が、体の使い方を変えた後で「現役時代と同じか、それ以上に安定している。しかも自然だ」と話していました。その先生でさえ、力で頑張っていた頃とは体の感覚がまるで違ったといいます。少なくともこの先生の場合は、体の使い方を見直したことで、以前との違いを感じていました。
上達の感じ方は、センスや年齢だけで決まるものではありません。体の使い方や練習の取り組み方を見直すことで、変化に気づける場合があります。初心者の方や、始めてから上達の実感がつかみにくい方は、社交ダンスを始めて姿勢がなかなか直らない|初心者が最初に整える体の土台も読んでみてください。
体の使い方が変わったら、練習が楽しくなった

「意識して作る姿勢」から、力の入れ方や立ち方を見直す練習に変えると、同じ練習でも感じ方が変わることがあります。
力で姿勢を作っていたころは、練習後にどっと疲れる一方で、上達している感覚がなかったという方がいます。体の使い方を見直したあとには、練習後の疲れが軽く感じられ、「今日は少し感覚がつかめた」と手ごたえを得られるようになったそうです。
練習の手ごたえが得にくいときは、努力の量だけでなく、姿勢やホールドをどう支えているかも確認してみてください。力でホールドを保とうとしていた方が、支え方を見直したあとに、崩れにくくなったと感じた事例もあります。
関連する内容は、次の記事でも紹介しています。
姿勢・ホールド・ターンに共通する体の土台
姿勢が作れない、ホールドが崩れる、ターンで体が流れる。別々の悩みに見えても、立ち方や体重のかけ方が関係している場合があります。
立ち方と体重のかけ方を確認すると、姿勢やホールド、ターンをそれぞれ直す前に、共通する土台から見直せます。部分だけを繰り返し直しても変わりにくいときは、体全体の支え方を確認してみるのも一つの方法です。
まず読んでほしいのは、社交ダンスの姿勢が「真っ直ぐ」に作れない理由|固めずに整える立ち方です。「姿勢を固めて作ろうとすることが、なぜ逆効果なのか」という土台の話から始まり、体の使い方をどう変えていくかを詳しく書いています。
上達しないと感じているとき、頑張ることをやめる必要はありません。同じ指摘が続くときは、努力の量を増やす前に、立ち方や体重のかけ方を見直してみてください。技術を練習する前の土台に目を向けることで、今までとは違う感覚が見つかるかもしれません。
立ち方やホールドの構えを実際に比べられる体験会を準備しています。内容や開催予定は、体験会ページでご確認ください。

